小説文とは、作者の伝えたいこと(主題)が、象徴的に表現された文章です。
「象徴」とは、抽象的な概念や思想を、具体的な物や事柄で表現したものです。
小説文の作者は、自分の伝えたいことを直接表現せず、物語に託して表現します。
何気ない風景や場面展開、登場人物の心情などが「象徴」として機能し、物語の主題を静かに語っています。
実は、小説文の読解問題は、その象徴の意味に気づかせるよう、段階的に組み立てられているのです。
この記事では、
・小説読解における「象徴」理解の重要性
・設問が主題の理解へつながること
を、可愛いくろねこちゃんと一緒に、楽しくわかりやすく解説します!
くろねこちゃん:
先生~!小説の読解問題って、
「気持ちは?」「行動の理由は?」「場面の様子は?」って、いったいどう読んだらいいのか分からないです~!
先生:
ふむふむ、それはよくある悩みだね。
でもね、小説文の読解問題って一問一答のクイズじゃないんだよ。
じつは――
すべての設問が「ある一点」に向かってるんだ。
くろねこちゃん:
あるイッテン?
🚩小説文読解の目的って何?
先生:
小説文の最終目的、それは作者の言いたいこと=主題を読み取ること、
そして、それを伝えるための象徴的な描写や場面、登場人物の心情を理解すること
つまり、
設問はぜんぶ、主題という“宝”を見つけるための道しるべの役目をになっているんだ!
🚩設問は「点」、だけどつながると「線」になる!
くろねこちゃん:
どゆことです!?
先生:
たとえば──
問1:なぜ主人公はこの時、黙ってしまったのか?
→ 行動は心情の象徴=沈黙はショックを意味する
問2:この場面で繰り返される“雨”にはどんな意味がある?
→ 情景描写は心情の象徴=どしゃ降りの雨は絶望を意味する
問3:「雨が止み雲間から光が射す」とは何を意味するのか?
→未来への希望を意味する
問4:この作品全体を通して作者が伝えたかったことは?
→ 衝撃的な出来事による絶望から明るい未来への希望という主人公の心情の変化=主題を読み取る!
というような具合さ。
バラバラに見える設問は、全部が「主題という中心」に向かってるんだよ。
🚩象徴に気づくと、物語が「立体」に見えてくる!
先生:
ただの沈黙、じゃない。
ただの雨、じゃない。
ただの日光、じゃない。
そこに込められた「意味(象徴)」を読みとったとき、物語は急に「平面」から「立体」になるんだよ!
「あ、この沈黙って“言いたいけど言えない想い”の象徴かも」
「雨が止むのは、心が前を向いたしるしかも」
そんなふうに、設問は
象徴→主題の気づき
へと導いてくれる“ステップ”なの!
くろねこちゃん:
ヘー!
じゃあ、設問って「小説のなぞときマップ」みたいなものなんですね!?
先生:
まさにそのとおり!
設問を順に読み解くことで、「作者の伝えたいこと=主題」に近づいていくのが小説読解なんだよ。
だから、問題を全部解き終えて、一通り各設問の答えを見渡してほしい。
設問同士がつながっているんじゃないかってね。
くろねこちゃん:
すごいですね!
設問同士が関係していたなんて…。
先生:
入試問題は全体を統一した出題意図があることが多いのだよ。
ある場面、ある人物のセリフと心情、情景描写。
これらが担う象徴的意味を読みとること。
これが小説文読解のポイントなんだ。
くろねこちゃん:
まさに目からウロコですぅ。
しばらくして━━
くろねこちゃん:
先生っ!最近わたし、小説文を解きすぎて、もうこの世界すべてが象徴に見えてきました!
先生:
えっ!?
くろねこちゃん:
さっき床に落ちてた消しゴムのカスがハート型だったんです。
つまり――!
「恋は少しずつ削れていく」ってことですよね!?
先生:
えっと…、どうだろう?
ただの消しゴムの使いすぎ…では?
くろねこちゃん:
あと、給食でプリンを取られたのも、
「甘さには執着してはいけない」
という象徴的なメッセージだし、
箸が割れなかったのは、
「人の縁は強い」
っていう暗示……!
先生:
さすが、くろねこちゃん。
世界の意味を悟ったのだね!
(やベェ。問題解きすぎて、世界まるごと文学作品化してる……もはや預言者)
🚩まとめ
小説読解の設問は、お互いつながって主題を表している。
場面・行動・心情→象徴……
全部が少しずつ「作者の言いたいこと」を浮かび上がらせてくれる!
個々の設問にふりまわされず、「つながり」を見抜いて象徴される「主題」を読みとるヒントにしよう。
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